開発・製品事例
Sol・Mid®(ソル・ミッド)
グリスの「扱いにくさ」を、固体にすることで解決する
潤滑液・グリスは、歯車やローラー等の部品同士が接触する際に、摩擦等の抵抗による力のロス、発熱・雑音の防止などを目的として使用されています。
課題
グリスは液状〜半固体状であるため、現場では次のような課題がありました。
- 液だれしやすく、垂直面や天井面への塗布が困難
- 保管中の油分分離や形状変化が発生しやすい
- 塗布量の管理が難しく、材料ロスにつながる
- スプレーやグリスガンなど塗布方法が限られる
- 部品への組み込みなど、新たな用途への展開が難しい
そこで、グリスを固体化するという発想に至りました。
マイアのアプローチ
「グリスそのものを固体にしてしまえばいい」という発想から開発をスタート。
超高分子量ポリエチレンとPOM(ポリアセタール)の微粒子を任意のグリスに混合し、型内で加熱・固化する「Sol・Mid®」技術を開発しました。
樹脂粒子が三次元構造を保ちながらグリスを内包することで、固形でありながら潤滑性能を維持し、従来のグリスでは難しかった取り扱いや機構内への組み込みを可能にしています。
Sol・Mid®処理による成果
- 液だれや油分分離がなく、長期保管が可能
- 固形化により、機構内への組み込みや新たな用途展開が可能
- 摩擦係数をグリス単体比で約10%低減
- 高荷重(10N)下でも安定した摺動性能を維持
- OA機器メンテナンスではオイル使用量を約80%削減する可能性を確認
期待される用途
- 精密機械・設備の摺動部
- 長期メンテナンスフリーが求められる部位
- 垂直面・天井面など塗布が難しい箇所
- 潤滑材を部品として組み込む新しい機構設計
- グリスガン・スプレー以外の潤滑材の伝達手段を求める現場
HI Glide(ハイグライド)
「混ざりにくい」を、表面改質で解決する
PTFE代替材料として期待されるUHMWPEの課題
近年、PFAS・PFOA規制の流れを受け、テフロン(PTFE)に代わる材料の開発が求められています。
その候補として注目されているのが、優れた摺動性(滑りやすさ)を持つ超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)です。
課題
しかし、この材料には他材料との親和性が低く、次のような課題がありました。
- 表面が平滑で官能基が少ないため、他材料との親和性が低い
- 塗料や樹脂へ均一に分散しにくい
- 被膜から脱落しやすく、耐久性の確保が難しい
- 比重が軽く、水系材料では沈降・分散制御が難しい
そこで、材料本来の優れた摺動性能を維持しながら、他材料との親和性だけを高める方法を模索しました。
マイアのアプローチ
試行錯誤を重ねた結果、超高分子量ポリエチレン表面を独自処理する「HI Glide」技術を開発。材料本来の性能を損なうことなく、表面特性を改善し、複合材料や塗料への展開を可能にしました。
※超高分子量ポリエチレン粒子のSEM画像(左:未処理/右:HI Glide処理)
HI Glide処理による成果
- 比表面積が3倍以上に増加
- 官能基が増加し、他材料との親和性が向上
- 塗料や樹脂への分散性が向上
- 水中でも良好な分散状態を確認
期待される用途
- 摺動部材
- 塗料・コーティング材
- 自動車部品
- ウレタン樹脂
- ゴム材料
- PTFE代替材料
特に、PFAS・PFOA規制を背景に、PTFE代替材料として塗料・コーティング分野での活用が期待されています。